結婚祝いのお返し、どうすればいい?相場とマナーをギフト販売員が解説

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「結婚祝いをもらったけど、お返しってどのくらいすればいいんだろう?」
「“半返し”って聞いたことはあるけど、本当にそれでいいのかな?」

結婚のお祝いをいただいたあと、多くの方が迷うのが「お返し(内祝い)」の金額やタイミング、マナーです。

相手に失礼がないようにしたいけれど、形式ばかり気にしすぎるのも気が引けますよね。

この記事では、結婚祝いのお返しに関する相場・マナー・品選びのコツを、ギフト販売員の視点から解説します。

相場を知ることで迷いが減り、贈る相手に合わせた気持ちの伝わるお返しができるようになりますよ。

結婚祝いのお返し(内祝い)とは?

結婚祝いのお返し(内祝い)とは、お祝いをしてくれた方への感謝の気持ちを形にして伝える贈り物のことです。

本来「内祝い」とは身内の喜びをおすそ分けするという意味を持ち、お祝いをもらったから返すというよりは、お祝いをいただいたお礼を込めて贈るという考え方に基づいています。

たとえば、結婚式に招待した方には引き出物を、出席できなかった方や遠方からお祝いをいただいた方には別途「結婚内祝い」を贈ります。

お返しの形は人それぞれですが、共通して大切なのは感謝をきちんと伝えることです。

お返しの基本の相場

結婚祝いのお返しでまず悩むのが「いくらくらいのものを贈ればいいの?」という点じゃないでしょうか。

人によって受け取り方が違うだけに、金額のバランスはとても大切です。

ここでは、多くの人が基準にしている「半返し」と「3分の1返し」という考え方をもとに、実際にどのくらいの金額が目安になるのかをわかりやすく紹介していきます。

「半返し」が基本とされる理由

結婚祝いのお返しの基本は「いただいた金額や品物の半分程度の価値のものを贈る=半返し」

 これは「いただいたご厚意に対して感謝を伝えつつ、かえって相手に気を遣わせない」ためのちょうど良いバランスとして、昔から定着している考え方です。

たとえば、3万円のご祝儀をいただいた場合、1万5千円前後のお返しが目安になります。

これなら「ちゃんとお礼をしてくれた」と思ってもらえる一方で、「お返しが立派すぎて恐縮した」という印象にもなりにくくなります。

特に結婚のようにお祝いを複数の方からいただく場面では、全体の費用負担が増えすぎないことも大事なポイント。

半返しは、贈る側・受け取る側の両方にとって負担が少ない、現実的なラインといえますね。

高額・少額のお祝いをもらった場合の調整方法

とはいえ、すべてを機械的に半返しにする必要はありません。

たとえば、両親や祖父母、目上の方などから高額なお祝いをいただいた場合は、半額を返してしまうとかえって気を遣わせてしまうことがあります。

その場合は、3分の1程度の「気持ちを添えるお返し」にとどめるのが自然です。

たとえば10万円のご祝儀に対して、3万円前後の品を贈るイメージ。

反対に、少額のご祝儀(1万円未満)やちょっとしたプレゼントをもらった場合は、3,000円〜5,000円前後の品で十分です。

お返しは金額の大小よりも「気持ちを受け取って、感謝を形にしたい」という姿勢が大切。

たとえお返しの金額が控えめでも、心を込めたメッセージカードや丁寧な言葉を添えることで、印象はぐっと良くなりますよ。

相場の具体例

ここでは、実際にどのくらいの金額を目安にすればよいのか整理してみましょう。

以下はあくまで一般的な目安ですが、関係性や地域の慣習などに合わせて調整するのが理想です。

いただいたお祝いの金額お返しの目安備考
5,000円約2,000〜3,000円お菓子や日用品など気軽な品
10,000円約3,000〜5,000円消えものやギフトカードが人気
30,000円約10,000〜15,000円カタログギフトや上質な日用品(タオルなど)
50,000円以上約15,000〜20,000円高額の場合は3分の1返しが目安
100,000円以上約30,000円前後品物+丁寧な挨拶状で感謝を伝える

もし迷ったら、「この金額なら相手が負担を感じないか」「相手に喜んでもらえる内容か」という視点で見直してみるといいでしょう。

最終的には「自分らしいお礼の形」に整えることが大切です。

相手別に見るお返し相場の目安

結婚祝いのお返しは「誰に贈るか」によって、金額の目安や選ぶ品の傾向が変わってきます。

同じ半返しを基準にしても、親や上司に贈る場合と友人に贈る場合では、受け取る印象が違うものです。

ここでは、それぞれの立場に合わせた相場の目安と、好まれやすいお返しの傾向を紹介します。

親族へのお返し

親族へのお返しは、形式よりも「感謝の気持ちをどう伝えるか」が重要です。

特に親や祖父母からは、10万円以上の高額なご祝儀をいただくことも多く、その場合は半返しではなく3分の1程度の金額にとどめるのが一般的です。

ただし、親からの援助や結婚式の費用負担が含まれている場合もあります。

「hanayume 親からの結婚式費用の援助額は平均いくら?みんなのアンケート結果」によると、50万~100万円の援助が最も多く、100万以上の援助をいただくことも多いようです。

その場合は無理をせず気持ちが伝わる程度のお返しをするので十分です

兄弟姉妹や親戚には、5,000円〜1万円前後のギフトでも十分なことが多いです。

血のつながりがあるからこそ、金額よりも感謝が伝わることを大切にしましょう。

上司・職場関係(個人/連名)

職場関係へのお返しは、特に気を遣う場面です。

個人でお祝いをくださった上司には、いただいた金額の半分程度(3,000円〜1万円前後)を目安に、落ち着いた上品なギフトを選ぶのが無難です。

複数の同僚や部署全体から連名でお祝いをもらった場合は、「一人あたり500円〜1,000円程度」の計算で、全体の金額感を整えると良いでしょう。

職場では「気を遣わせないこと」が最優先。

あまり高価すぎると、かえって相手が恐縮してしまうため、だいたい半返しだけど少し控えめくらいがちょうど良いバランスです。

友人・同僚へのお返し

友人や同僚からのお祝いは、1万円程度が相場になることが多く、それに対するお返しは3,000円〜5,000円前後が目安です。

気を張りすぎる必要はなく、「おしゃれでセンスのある贈り物」や「使ってもらいやすいもの」を選ぶといいでしょう。

また、特に仲の良い友人には、品物にメッセージを添えると印象がぐっと良くなります。

「お祝いありがとう!新生活が落ち着いたら、また会いに行くね」など、短くてもあなたの気持ちが伝わる言葉を添えることで、より温かみのあるお返しになりますよ。

相場はあくまで目安であり、ここまで説明してきたように相手との関係性によって変わります。

重要なのは、どの相手に対しても「ありがとう」という気持ちを込めてお返しすることです。

お返しの品の選び方と予算配分

金額の目安が決まったら、次は何を贈るかで悩むと思います。

せっかく感謝を伝えるなら、相手にとってもらって嬉しいものにしたいですよね。

ここでは、予算の立て方からギフトの種類、そして相手別の選び方まで、実用的な視点でまとめました。

予算から決める最適なギフト金額

お返しの品を選ぶときは、まず全体の予算を決めることが第一歩

目安となるのは、「お返しの基本の相場」で触れた「半返し」または「3分の1返し」です。

ただし、お返しの総額は一人ひとりにかける費用だけでなく、のし紙・包装・送料・メッセージカードなどの付帯コストも含まれるため、少し余裕をもって考えましょう。

また、複数の相手に贈る場合は、親族・友人・職場など全体を一覧にしてバランスを取ると、のちのトラブルや「人によって差がある」という印象を防げます。

予算を決めたら、「金額に見合った品かどうか」だけでなく、相手にとって使いやすいもの・残らないものを基準に選ぶと失敗が少なくなります。

品物・カタログギフト・ギフト券の比較

結婚内祝いでよく選ばれるギフトには、大きく分けて「品物ギフト」「カタログギフト」「ギフト券・電子ギフト」の3種類があります。

それぞれに特徴があり、贈る相手や関係性によって向き・不向きが異なります。

ここではまず、最も人気の高い“品物ギフト”を「お菓子」と「日用品」の2つに分けて紹介します。

お菓子ギフト(スイーツ・お茶など)

お菓子は、結婚内祝いの中でも最も選ばれている定番ギフトです。

洋菓子・和菓子どちらも人気があり、相手の好みを選ばず気軽に贈れるのが魅力です。

特におすすめなのは、焼き菓子などの個包装タイプ。

職場や親戚など複数人で分けやすく、見た目にも華やかでフォーマルな印象を与えます。

紅茶やコーヒー、お茶などの飲み物のセットも人気が高く、上品で実用的です。

甘いものが苦手な方には、佃煮・お茶漬けなどのギフトを贈るのもいいでしょう。

食べてなくなるギフトは、気を遣わせずに済むため失敗が少ないのも特徴です。

日用品ギフト(タオル・食器・実用雑貨など)

日用品ギフトは、上品で実用的なお返しとして親族や目上の方に特に人気があります。

形に残るため「きちんとお礼をしたい」という気持ちを伝えやすいジャンルです。

タオルは定番中の定番で、品質の良いタオルやブランド物を選ぶと特別感が出ます。

食器類なら、白や淡い色を基調とした上品なデザインを選ぶと、どんな家庭にも馴染みます。

また、洗剤セットや石けんなどの消耗する実用品も人気です。

香りやデザインに癖がないものを選べば、年代を問わず安心して贈れますよ。

ただし、好みが分かれるインテリア小物などは避けた方が無難です。

結婚内祝いでは「清潔感・上質感・実用性」を意識して選ぶと間違いがありません。

カタログギフト

カタログギフトは「相手に選ぶ楽しみを贈る」スタイル。

相手の好みが分からないときや、遠方へのお返しに便利です。

グルメ・体験型・雑貨中心などテーマ別のカタログも増えており、価格帯も幅広く選べます。

ただし、やや事務的に感じる人もいるため、メッセージカードを添えて温かみを加えると好印象です。

ギフト券・電子ギフト

ギフト券は、最も自由度が高く失敗が少ない贈り方です。

百貨店の商品券、QUOカード、Amazonギフト、LINEギフトなど、さまざまな形式があります。

現金に近い形のため、親しい友人や同僚向けが基本。

一方で、目上の方や年配の方にはややカジュアルすぎる印象を与える場合があるので注意しましょう。

包装やのしを丁寧に整えれば、フォーマルな贈り物としても十分通用します。

このように、同じ「品物ギフト」でも、お菓子は気軽さ・親しみやすさ、日用品は上品さ・実用性といった違いがあります。

相手との関係や贈る目的に合わせて選ぶことで、より印象に残るお返しになります。

相手別の選び方ポイント

お返しの品選びで大切なのは、「相手の立場で考えること」。

金額だけで判断するのではなく、「どんな気持ちで受け取ってもらいたいか」をイメージすると、自然とふさわしいギフトが見えてきます。

ここからは、「親や目上の方」、「友人や同年代の方」、「職場関係や上司・同僚へ」の3つの分類で相手の立場ごとにおすすめのギフトの傾向を見ていきましょう。

親や目上の方向け

親や目上の方へは、品物選びに特に気を配りたいところです。

高級すぎず、上品で実用的なものを選ぶのが基本。

たとえば、上質なお茶やコーヒーセット、和菓子、名のあるブランドのタオルや食器などがいいでしょう。

祖父母向けの場合は、タオルや食品・飲料などの実用品・消えものがよく選ばれています。

生活に役立つものや日常で使えるものを選ぶと安心感があり、好まれやすいです。

友人や同年代の方向け

友人や同年代の方へは、気軽でセンスのあるギフトを意識すると喜ばれます。

おしゃれなスイーツ、紅茶、入浴剤、コーヒーギフトなど、「自分でも欲しいと思えるもの」を選ぶと間違いありません。

最近は、相手の住所を知らなくてもSNSやメールで贈れるソーシャルギフトも増えていて、オンラインストアで気軽に準備できるのでカジュアルな関係にはぴったり。

たとえば、スイーツや紅茶セット、カタログギフト、タオルギフトなどが定番です。

職場関係や上司・同僚へ

職場関係や上司・同僚へは、誰が受け取っても好印象な無難さを意識するのがポイント。

焼き菓子や個包装スイーツは定番中の定番です。

個人宛ての場合は、落ち着いたデザインのブランドタオル、高級感のあるお茶・コーヒー、ギフトカードなども良いでしょう。

華美すぎず、日常で使いやすいものを選ぶことで、「きちんと気を遣える人」という印象を与えられます。

複数の同僚や部署全体からお祝いをもらった場合は、全員で分けられるお菓子やコーヒーセットをまとめて贈る形が一般的です。

ケース別の判断ポイント・例外パターン

これまで相場やマナーについて触れてきましたが、あくまで目安であり「こうすれば正解」というものではありません。

実際には相手との関係性や状況によって、柔軟に考える必要があります。

ここでは、よくある例外的なケースや迷いやすいパターンを取り上げていきます。

お祝いが「モノ」だった場合の金額換算の考え方

結婚祝いとして、現金ではなく家電やインテリア雑貨などの「モノ」をいただくこともありますよね。

その場合は、相手が贈ってくれた品の「おおよその金額」を目安にして基本の相場から考えましょう。

金額がわからないときは、形状や型番などから同等の商品をネットで調べると、ある程度の相場を把握できます。

ただし、手作り品など、値段をつけにくいお祝いの場合は、金額よりも「ありがとう」の気持ちを伝えることを優先してください。

お礼の手紙や写真付きのメッセージでも、立派なお返しになります。

連名でお祝いをもらった時の対応方法

結婚祝いを複数人から連名でお祝いをもらうケースもよくあります。

主に職場や友人グループなどで、この場合は一人ひとりに個別のお返しをするのではなく、全員で共有できるお返しを贈るのが基本です。

お返しの金額感は、これまで紹介した相場の範囲を目安に、全体金額の3〜4割程度にするとバランスがとりやすいです。

たとえば職場の同僚5人から1万円ずつ計5万円をもらったなら、1万5千円〜2万円前後の共通ギフトが適切です。

「お返しは不要」と言われた時の丁寧な対応

「気を遣わないでね」「お返しはいらないよ」と言われることもあります。

そんなときは、言葉をそのまま受け取りすぎず、感謝の気持ちを伝えることを第一に考えましょう。

たとえば、「お気持ちだけで十分です」と言われた場合は、お礼状や電話でお礼を伝えるだけでもOKです。

どうしても何か渡したい場合は、2,000〜3,000円程度の消えもの(お菓子・お茶など)を感謝の気持ちとして贈るのが良いでしょう。

特に年上の方や職場の上司など、礼儀を重んじる関係では、本当に何もお返しをしないよりも気持ち程度のお礼を添えるほうが印象が良くなります。

また、お返しを贈らない場合でも、「お祝いをいただいたおかげで素敵な門出を迎えられました」など、相手の気持ちに触れたお礼の言葉を添えると、丁寧で温かみのある対応になります。

家族や地域の慣習による違い

結婚祝いのお返しは、地域や家庭によって考え方が少しずつ異なります。

たとえば、関東では「半返し」が基本ですが、関西では「3分の1返し」や「お礼の挨拶のみで済ませる」など、地域独自の慣習が残っていることもあります。

また、親世代が「うちはこうしてきた」という考えを持っている場合も多く、家族の意見を確認してから行動するのが無難です。

とくに親戚へのお返しは、両家の方針を合わせておくことが大切です。

自分の家では3分の1返し、相手の家では半返しが常識というズレがあると、後々誤解を招くこともあります。

迷ったら、「感謝を伝えたい気持ちはあるけれど、地域や家の習慣に沿っても問題ないか」を家族と相談してから決めましょう。

どのケースにも共通するのは、「相手がどう感じるか」を考えること。

形式にとらわれすぎず、状況に合わせて柔軟に判断すれば、たとえ完璧でなくても心のこもったお返しになります。

感謝の気持ちをどう伝えるかを軸にすれば、どんなケースでも間違いのない対応ができます。

のし・包装のマナーと見た目の整え方

お返しの印象を決める大切な要素のひとつが「見た目」です。

どんなに素敵な品物を選んでも、のしや包装が不適切だとマナーがなってないと感じさせてしまうこともあります。

ここでは、結婚内祝いにふさわしいのし紙の形式と、包装のポイントをまとめます。

のし紙の種類

結婚内祝いののし紙には、紅白10本の結び切りを使います。

結び切は「一度結ぶとほどけない」という意味があり、一度きりのご縁を象徴する水引として結婚に最もふさわしい形式です。

もともと水引は5本1組が基本ですが、結婚は新郎・新婦それぞれの慶びが重なるため、5本×2で10本結び切りが正式とされています。

なお、出産・新築など他の慶事では紅白5本の結び切りを使う場合もありますが、結婚の場合は必ず10本を選びましょう

表書き・名前の書き方

表書き

表書き(上段)「内祝」または「結婚内祝」と書くのが一般的です。

どちらも意味は同じなので、どちらを選んでも失礼にはなりません。

より丁寧にしたい場合に「結婚内祝」を選ばれる方が多いです。

贈り主の名前

贈り主の名前(下段)には、主に3つのスタイルがあります。

たとえば、新郎が「田中太郎」新婦の旧姓が「鈴木花子」の例で言うと、次のようになります。

田中太郎・花子最も一般的なスタイルです。
・「田中太郎」と一列で書いて「太郎」の左に「花子」と入れます。
・または、名前の配置は同じで、「田中」を両名のちょうど真ん中あたりに置きます。
田中
または「田中家」
世帯としてまとめて表記したい場合のスタイルです。
・フォーマルな印象を与えたい場合に向いています。
田中・鈴木
または「田中家・鈴木家」
夫婦が別姓のままの場合新姓になじみが無い相手に配慮したスタイルです。

このように、正式な書式としては「田中太郎・花子」が主流ですが、相手との関係性や社会的な事情に応じて、他の書き方も柔軟に選ばれるようになっています。

大切なのは誰からのお返しかが明確であることです

相手や地域の考え方に合わせて、最も自然なスタイルを選ぶのが良いでしょう。

包装や外観で気をつけたい点

お返しの品は、見た目の清潔感と上品さを意識するのが基本です。

派手すぎる柄や強い色味は避け、白や淡いトーンを基調にした包装紙を選ぶと安心です。

百貨店やギフト専門ショップで購入する場合は、用途を伝えれば適切なのしと包装を施してもらえます。

「結婚内祝い用でお願いします」と伝えるだけで、紅白10本結び切りののし紙と控えめで上品な包装紙を用意してもらえるでしょう。

専門店では慶事・弔事・季節行事などの用途ごとにラッピング基準が決まっており、自分で判断するより確実です。

一方、自宅で包装する場合やオンラインショップで自分で選ぶ場合は、次の2つを基調に選ぶと失敗しません。

  • 白・ベージュ・淡いピンクなどの上品な色味
  • シンプルな柄(ストライプ・花模様・無地系)

逆に、白×黒・白×銀・白×黄などの配色は弔事を連想させるため避けましょう。

また、のしの掛け方は「内のし」が主流です。

内のしは、品物にのし紙を直接かけてその上から包装するスタイルで、控えめで上品な印象になります。

 一方、「外のし」は贈り物を手渡しする場合など、相手に「お返しである」ことを明確に伝えたいときに用います。

郵送で送る場合は、外装が汚れないように配送用の二重包装をお願いしておくと安心です。

挨拶状とメッセージのマナー

お返しの品に添える挨拶状やメッセージカードは、「ありがとう」を直接伝えるための大切なひと工夫です。

形式的な文章でも構いませんが、一言でも自分の言葉を添えればぐっと温かみが増します。

挨拶状・メッセージを添える意味

結婚内祝いの挨拶状は、単なるお礼文ではなく「気持ちを伝える演出」です。

のしや包装が形式を整える外のマナーだとすれば、挨拶状は心のマナー

相手に「お祝いしてよかった」と思ってもらえるよう、丁寧でやわらかな文面を意識しましょう。

基本的な挨拶文の構成とポイント

挨拶文は、以下の流れを意識すると自然にまとまります。

  1. お祝いへの感謝の言葉
  2. 結婚・新生活の報告(簡潔に)
  3. お返しを贈る旨の説明
  4. 今後のご挨拶・結びの言葉

この構成で書くと、形式的すぎず、気持ちが伝わる文章になります。

文例集(フォーマル/親しい友人/職場向け)

〈フォーマル〉
このたびは私たちの結婚に際し、温かいお祝いをいただき誠にありがとうございました。
新生活も無事に始まり、少しずつ落ち着いてまいりました。
感謝の気持ちを込めて、ささやかではございますが内祝いの品をお贈りいたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

〈親しい友人向け〉
お祝いをありがとう!
新しい生活にもようやく慣れてきて、毎日バタバタしながらも楽しく過ごしています。
感謝の気持ちを込めて、ちょっとしたお返しを贈ります。気に入ってもらえたら嬉しいです。

〈職場の方・上司向け〉
このたびはご丁寧なお祝いをいただき、誠にありがとうございました。
今後もお仕事を通じてご指導いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

言葉遣いとマナーの注意点

結婚内祝いの挨拶文では、以下のような言葉遣いに注意しましょう。

  • 「切れる」「終わる」「消える」などの弔事を連想させる言葉は避ける
  • 「たびたび」「いろいろ」などの重ね言葉は使わない
  • 句読点(、。)は「区切り・終止」を意味するため、フォーマルな文面では使わないのが伝統的マナー

最近ではそこまで厳密でなくても構いませんが、目上の方や親族宛てでは意識しておくと安心です。

のしや包装が外見のマナーであるように、挨拶状は心を整えるマナーです。

少しの気配りで、同じギフトでも「丁寧な人」という印象を残すことができます。

お返しを贈るタイミング・期限の目安

結婚祝いのお返しでは、「どんな品を贈るか」だけでなく、「いつ贈るか」も大切なマナーのひとつです。

せっかく心を込めて準備しても、時期を誤ると相手に気を遣わせてしまうこともあります。

「早すぎても気が急いているように見えるし、遅すぎるのも失礼」という悩ましいポイントですよね。

ここでは、結婚式の有無や報告のタイミングなど、状況別にちょうど良い贈り時をわかりやすく整理します。

結婚式あり/なしの場合の贈る時期

まず基本となる考え方は、お祝いをいただいてから1か月以内にお返しを贈るというものです。

結婚式を挙げる場合

結婚式を挙げた場合は、式後にお返しを贈るのが基本です。

披露宴に参列してくれたゲストには引き出物がすでにお返しの役割を果たすため、別途お返しを贈る必要はありません。

ただし、欠席者やご祝儀だけをいただいた方には、式後1か月以内に届くように贈ると丁寧です。

結婚式をしない場合

一方、入籍のみ・食事会のみ・後日報告といった「結婚式をしない場合」も、お祝いを受け取ってから1か月以内が目安です。

しかし、あまり早すぎると慌ただしく準備したと思われることもあるので、1か月を上限として、2〜3週間を目安に準備を始めるくらいの感覚でいいでしょう。

ただし、すぐにお返しの準備ができない場合や、新生活の準備が重なる時期などは、多少前後しても問題ありません。

状況や地域の慣習によっても多少の前後は失礼にはあたらないため、焦らず、感謝の気持ちがしっかり伝わるタイミングで贈りましょう。

入籍のみ・後日報告など状況別の考え方

最近は、結婚式を挙げずに入籍のみで報告をするスタイルも増えています。
この場合は、「結婚の報告をしたあとにお祝いをもらう」パターンと、「報告前にお祝いを受け取る」パターンで対応が少し変わります。

報告後にお祝いをいただいた場合受け取ってから1か月以内にお返しを贈ればOKです。
報告前にお祝いをいただいた場合入籍や新生活の準備が落ち着いてから、改めてお礼を兼ねてお返しをするのが丁寧です。

入籍の時期がずれたり、結婚報告を後日にまとめて行う場合も、焦らずに「落ち着いたタイミングで丁寧に感謝を伝える」ことが大切です。

たとえば、「ご報告が遅くなりましたが、お祝いありがとうございました」と一言添えるだけで、印象はぐっと良くなります。

結婚式を挙げない場合でも、お祝いをいただいたら1か月以内を目安にお返しを贈るのが丁寧です。

フォトウェディングや食事会のみのスタイルでも、基本的な考え方は同じで、お祝いを受け取ってから1か月を目安に、感謝の気持ちを伝える品を準備しましょう。

形式にこだわりすぎず、無理のない時期に気持ちを込めて贈ることが大切です。

お返しが遅れた場合のマナーとフォロー

結婚準備や新生活で忙しく、「気づいたら1か月以上経ってしまった…」ということもあります。

そんなときも、焦らずに感謝とお詫びを伝えることが大切です。

遅れても、心のこもったひとことがあれば十分丁寧な印象になります。

たとえば、

「お祝いをいただきながら、ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。
感謝の気持ちを込めて、ささやかですが内祝いの品をお贈りいたします。」

と、このような文面を添えるだけで誠実さが伝わります。

また、数か月以上経ってしまった場合は、挨拶状や電話で一言お詫びを伝えてから贈ると、より丁寧です。

「時期よりも感謝が伝わること」が大切なので、遅くなっても丁寧に対応すれば問題ありません。

よくある疑問・注意したい誤解

結婚祝いのお返し(内祝い)には、「こうした方が良いのでは?」「これはマナー違反?」と迷ってしまう細かいポイントがたくさんあります。

特に初めての結婚内祝いでは、周囲の人の意見やネットの情報がバラバラで混乱することも多いものです。

ここでは、よくある4つの疑問と、誤解しやすいポイントをわかりやすく整理します。

引き出物との違いは?

まず混同しやすいのが、「引き出物」と「内祝い(お返し)」の違いです。

「引き出物」と「結婚内祝い」は、どちらもお礼の品という点では共通していますが、
贈る相手・タイミング・目的が異なります。

引き出物とは?

引き出物は、結婚式や披露宴に出席したゲストに対する贈り物です。

当日に手渡すお礼であり、いわばおもてなしの一部

ご祝儀へのお返しというより、「参列への感謝」を込めた贈り物です。

(参考:リンベル「結婚内祝い(結婚祝いのお返し)とは?結婚引出物との違いやマナー、おすすめギフトも紹介!」結婚引出物とは|2025/10/19)

引き出物と内祝いの違い

一方の結婚内祝いは、式に出席していない方からのお祝いへのお返しとして贈るものです。

いただいたお祝いへの感謝を、後日あらためて形にして届ける点が特徴です。

併用するケースも

披露宴の引き出物とは別に、追加で内祝いを贈る場合もあります。

たとえば、ご祝儀とは別に品物をいただいた場合や、親族から高額なお祝いをもらった場合などです。

その場合は、引き出物に加えて後日あらためてお礼を贈ると丁寧です。

(参考:おこめやノート「ご存知ですか?引き出物と内祝いの違いについて」こんな場合、お返しはどうするの?|2025/10/19)

相場を守らないと失礼?

「半返しをしなかったら失礼になるのでは?」と不安に思う人も多いですが、相場はあくまで目安です。

相手の関係性やお祝いの金額、地域の慣習などによって適切なラインは変わります。

形式にこだわるよりも、「相手に気を遣わせないこと」「感謝が伝わること」を優先する方が好印象です。

たとえば、親や祖父母などから高額なご祝儀をいただいた場合、半額を返してしまうとかえって恐縮されることもあります。

このようなケースでは、3分の1程度のお返しにとどめて、丁寧な挨拶を添える方が自然です。

反対に、少額のお祝いをいただいた場合でも、心を込めたお礼の品と一言メッセージを添えれば、十分に気持ちは伝わります。

郵送の送料は相場に含める?

最近は、ギフトをネット注文や宅配で贈る人も多く、「送料は相場に含めるべき?」というのもよくある疑問ですね。

基本的には、送料はお返しの金額に含めないで考えましょう。

お返しとしてカウントするのは、あくまで品物そのものの価値です。

たとえば、5,000円相当のギフトを贈る予定なら、送料が別にかかっても問題ありません。

ただし、相手が複数人いる場合や遠方への発送が多い場合は、トータルの負担額を意識しておくと安心です。

また、送料を抑えるために品の質を下げるのは逆効果。

金額よりも「受け取ったときに気持ちが伝わるか」を優先して選びましょう。

もし予算を抑えたい場合は、送料無料の商品を選ぶ、または同一ショップでまとめて注文するなど、工夫次第でコストを抑えられます

まとめ

結婚内祝いは「半返し」を目安にしつつ、相手との関係や地域の慣習、いただいた内容に応じて柔軟に調整するのがいちばん自然です。

高額なお祝いには3分の1程度、連名には皆で分けられる品をという形を意識すれば気持ちよく受け取ってもらえます。

のしは紅白10本の結び切り、表書きは「内祝/結婚内祝」、名入れは新姓+夫婦名が基本。

包装は白や淡色の上品なトーンで、挨拶状には短くても自分の言葉で感謝を添えると、ぐっと温かい印象になります。

タイミングは「受け取ってから1か月以内」を原則とし、遅れたときは一言のお詫びと丁寧な挨拶で十分挽回できますよ。

最後にもう一度、気持ちの伝わるお返しの条件を振り返りましょう。

  • 金額感は「半返し〜3分の1」の範囲で無理がないか
  • のし・包装・名入れ・挨拶状の体裁は整っているか
  • 相手にとって使いやすい(または“消えもの”)を選べているか
  • 配送日時・二重包装など受け取りやすさへの配慮があるか

相場は迷わないための目安。いちばん大切なのは、あなたの「ありがとう」がまっすぐ届くことです。

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